日置桜と牛ノ戸焼のぐいのみ(鳥取)

今日は「日置桜(ひおきざくら)」を牛ノ戸焼のぐいのみで飲んでみたいと思います。

日置桜を造っているのは山根酒造場さん。鳥取県鳥取市にある酒蔵で、創業は明治20年(1887年)。「日置桜」という銘柄の名前は、蔵のそばにある樹齢100年の寒桜に由来します。2~3月が見ごろだそうで、ちょうど今咲いているところでしょうか。

そんな日置桜を注ぐのは、牛ノ戸焼のぐいのみです。

江戸末期から庶民が使う焼き物を生産していた牛ノ戸焼の窯元ですが、昭和に入ると医師であり新作民藝の指導者であった吉田璋也の元で新たな器を生み出していきます。今回購入した梅の装飾は初代から受け継がれているトレードマークであり、イッチン描き(筒に詰めた粘土や釉薬を盛り上げて装飾する技法)で描かれています。

注いでみるととろりとした粘度を感じます。色が濃いのは熟成されている証だそう。それではさっそく一杯頂きます。

口に含むと感じるのは骨太な旨味、甘味はほとんど感じません。とはいえ飲みづらいわけではなく、ついつい盃を重ねてしまう味わいです。常温くらいがおいしい、と紹介されていたのでそのくらいで飲んでみると、旨味がふくらむ感じがあります。食事と合わせながら、それこそ花見などで美味しいお酒なのではないでしょうか。

寒い時期に咲く寒桜のような力強さと生命力を感じる酒と器です。

日置桜 純米酒

原料米玉栄(使用比率100%)
精米歩合70%
使用酵母協会7号
日本酒度+9.3
酸度2.4
アルコール分15度

山根酒造場HP


牛ノ戸焼窯元

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