瑠璃光(福島)

今年もまもなく終わろうとしています。なんといっても新型コロナウィルスが社会に影響を与え続けたこの一年、来年はこの疫病に対する心配がなくなり、社会が平癒することを祈って止みません。そんな祈りを込め、福島の日本酒「瑠璃光(るりこう)」を飲んで今年を締めくくりたいと思います。

「瑠璃光」は福島県会津地方にある湯川村でとれたコシヒカリを原料に作られた純米酒です。会津は古来から有名な米の産地ですが、湯川村も例に漏れず昔から米作りが盛んであり、その米を使って「おらが酒」=自分たちのお酒を作ろう、という経緯でできたお酒です。

そんな湯川村には勝常寺というお寺があり、御本尊である薬師如来は国宝に指定されています。「瑠璃光」という名前は勝常寺の山号であり、また薬師如来の正式名である薬師瑠璃光如来に由来しています。薬師如来は病気治癒や災難除去をご利益とする仏様。そんなわけで瑠璃光は新型コロナが蔓延した今年の最後に相応しいお酒ではないかと思います。

勝常寺境内
額には「瑠璃光山」という山号が

瑠璃光を作っているのは会津若松市の辰泉酒造さん。創業は明治10年(1877年)。「京の華」「会津流」「辰泉」といった銘柄のある蔵元です。

それではさっそく一杯。せっかくなので瑠璃色のグラスで頂きます。

甘味の上に米の旨味がのっているようなふくらみのある味わい。甘みが程よい辛口で、食事をしながら誰かと飲み交わす場面に相応しいと思います。スッと盃を重ねてしまうお酒です。

また誰かと気兼ねなくお酒を飲み交わせる世の中が戻りますよう。どうぞよいお年を。

湯川村HP