黒牛と紀州塗のガラスのおちょこ(和歌山)
明けましておめでとうございます。今年は丑年、ということで牛にちなんだ日本酒で飲み初めをしたいと思います。和歌山の「黒牛(くろうし)」です。
黒牛を作っているのは名手酒造店さん。創業は慶応2年(1866年)。和歌山県でも和歌山湾にほど近い海南市黒江地区にある酒蔵です。「黒牛」のほかに「菊御代」「一掴」といった銘柄があります。「黒牛」の名前は、万葉集に詠まれた「黒牛潟」という地名からとっています。この「黒牛潟」が蔵のある黒江地区の由来でもあるそうです。
さて、黒江地区は黒町時代から漆器作りの町で、名手酒造店さんもその職人たちを相手に酒造業を始めたそうです。そこで今回はその地で今も作られている漆の器で飲んでみたいと思います。塗り工房ふじいさんのガラスのおちょこです。
漆らしい深みのある朱色に金と銀の箔を貼った華やかな色合いが祝いの席にピッタリです。表面もガラスでコーティングされているため、扱いに気を使う漆の器も気軽に使うことができます。
それではさっそく一杯頂きます。
立ち香はおだやか。甘味と酸味がバランスよくあり、どちらも突出することなくまとまっています。わずかに苦みと辛味があり、最後は旨味の余韻を残して消えていきます。ボリュームのある味わいですが、とても飲みやすいお酒です。
今年も様々なお酒を飲んでいきたいと思います。よろしくお願いします。
黒牛 雄町 純米吟醸
原材料 | 米(国産) 米麹(国産米) |
原料米 | 雄町 |
精米歩合 | 50% |
酵母 | 協会9号系 |
日本酒度 | +3.5 |
酸度 | 1.4 |
アルコール度 | 16~17% |
仕込み水 | 万葉黒牛の水 |