残草蓬莱と長谷川奈津さんの盃(神奈川)

今回は「残草蓬莱(ざるそうほうらい)」を長谷川奈津さんの盃で飲んでみたいと思います。

残草蓬莱を造っているのは大矢孝酒造さん。神奈川県の北部、愛甲郡愛川町にある蔵元で、創業は1830年。速醸で仕込む残草蓬莱の他に、生酛作りの「昇龍蓬莱」という銘柄があります。今回はネットで勧められていた純米、「緑ラベル」を購入しました。

そんな残草蓬莱を注ぐのは長谷川奈津さんの盃。長谷川さんは幼少期に出会った陶芸家の方に薫陶を受け、大学などで陶芸を学ばれた後、現在は神奈川県で作陶しておられます。今回は山形ビエンナーレの陶器市に出品されていたものを購入しました。

落ち着いた佇まいで素朴な色合いなのですが、半透明の釉薬とそこに入った貫入が優しい雰囲気を醸しています。裏を返すと仄かに赤みを帯びていたり、表情豊かでいつまでも眺めたくなるような器です。

それではさっそく一杯頂きます。

舌にまず感じるのはふくよかな酸と米の旨味、そしてわずかな苦み。この苦みが味を重層的にし、味に深みを出しています。香りや甘味はあまり感じず、「お酒」感が強いです。つまみと一緒に飲みたいお酒です。

神奈川の洗練された雰囲気と、その裏にある素朴さを感じる酒と器でした。

残草蓬莱 純米 緑ラベル

原材料名米、米麹
原料米国産米100%
精米歩合60%
アルコール分15度
日本酒度+3