新政 「ヴィリジアン」「コスモス」と川連漆器のぐいのみ(秋田)

その土地のお酒を、その土地の器で飲む」という私の趣味の記録も、とうとう最後の県を残すのみとなりました。これから3回は、私が日本酒に興味を持つきっかけとなった、秋田の「新政(あらまさ)」を飲んでいきたいと思います。

新政を造っているのは新政酒造さん。秋田県秋田市にある酒蔵で、創業は1852(嘉永5)年。現存する最古の清酒酵母「きょうかい6号」の発祥蔵として有名で、秋田県産米のみを使用した生酛純米造りを行っています。

新政には大まかに3つのシリーズがあり、今回は「Colors」をご紹介します。”酒米ごとの個性を味わう”というコンセプトで造られているシリーズであり、「Colors」の名の通り、酒米ごとに色の名前が付けられています。その中で私が日本酒に興味を持つきっかけになったのが、美山錦を使用した「ラピス」だったのですが、こちらは2020年に終売。そのため他の2本を購入しています。

そんなお酒を注ぐのが、川連漆器(かわつらしっき)のぐいのみです。

川連漆器は、秋田県湯沢市川連地区で生産される漆器で、800年以上の歴史があります。木地を長い時間を掛けて燻煙乾燥させる昔ながらの製法で作られており、割れや歪みの少ない丈夫な作りが特徴です。今回は木目が美しい、寿次郎さんの木地呂塗のぐいのみを購入しました。

それではまずは美郷錦(みさとにしき)を使った「ヴィリジアン」を頂きます。

生酛らしいアミノ酸系の香り。口に含むと水のように軽やかですが、旨味、酸味、甘味、辛味、苦みと様々な味そして仕込みに使われる木桶の香り等が複雑に調和しており、重層的な味わいです。体にスッとなじんでいくようなスッキリしながらもキレのある味わいで、ついつい盃を重ねてしまいました。

それでは次に改良信交(かいりょうしんこう)を使った「コスモス」を頂きます。

香りは穏やか。口に含むと瑞々しい甘味と酸味が際立っており、サクランボを思わせるチャーミングな印象です。ヴィリジアンに比べると主張があるので、食前酒などによいのではないでしょうか。

伝統の上にモダンさを感じるお酒と器です。

新政 Viridian ヴィリジアン -天鵞絨- 2021-

アルコール分13%
原材料名米(秋田県産) 米麹(秋田県産米)
使用米美郷錦100%使用(2021年収穫 秋田県産)
精米歩合麹米45% 掛米50%
使用酵母きょうかい6号
発酵容器木桶

新政 Cosmos コスモス -秋櫻- 2021

アルコール分13%
原材料名米(秋田県産) 米麹(秋田県産米)
使用米改良信交100%使用(2021年収穫 秋田県産)
精米歩合麹米55% 掛米55%
使用酵母きょうかい6号
発酵容器木桶

新政酒造株式会社HP


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