金の鳩(大阪・奈良)

間もなく開幕するパラリンピック。以前から障がい者スポーツに興味があり、個人的にオリンピックよりパラリンピックの方を楽しみにしています。そこで何回かにわたり、障がい者の方々が生産に関わっているお酒を紹介していきたいと思います。今回は「金の鳩(きんのはと)」です。

「金の鳩」は、福祉と他分野の地元企業をつなぐプロジェクトを手掛ける「ふくのこ」さんが育てた酒米で造られています。「ふくのこ」さんは2019年に設立された大阪の会社。会社がある大阪府堺市は江戸から明治にかけて酒米の一大産地だった場所で、そういった歴史にひかれこの地で獲れた米でお酒を造ることを思い立ったそうです。「金の鳩」という銘柄も、かつてこの地にあった益田酒造さんの銘柄を受け継いでいます。

そんな田んぼで栽培されているのは無農薬の山田錦。それを一緒に育てているのが、ふくのこさんが運営している福祉事業所「ヤオヨロズヤ」の利用者さんたち。症状や障がいによって普通に働くことが難しい彼らが、体調などと相談しながら自分のペースで働き、作ったお米です。

そんなお米を使って今回のお酒を造ったのは河合酒造さん。奈良県橿原市にある酒蔵で、創業は江戸時代。「出世男」などの銘柄を造っていらっしゃいます。日本酒造りのプロジェクトに協力してくれる酒蔵を探している中で、堺市と歴史的に繋がりのあるこの地にある河合酒造さんにお願いすることになったそうです。

それではさっそく一杯頂きます。

口に含むと感じるのは米の旨味、そして穏やかな酸味。河合酒造さんの伝統的な製法で造られた、体に沁みるような味わいです。海の幸とも山の幸とも、どちらとも合わせられる感じがします。

時間と空間、両方の人の繋がりを感じるお酒です。

金の鳩 純米吟醸

原材料米(国産) 米麹(国産米)
原料米上神谷産無農薬山田錦100%
精米歩合58%
アルコール分15度
株式会社ふくのこHP
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