一番好きな酒と器【前編】
というわけで最初は私が一番好きな日本酒と器を紹介したいと思います。まずはお酒、福島県の「ロ万(ろまん)」です。
ロ万を醸造しているのは花泉酒造。福島県の西側、会津地方の南方にある、豊かな自然に囲まれた酒蔵です。
ロ万は「米、水、人。本当の意味の「地酒」にこだわりぬいた酒」というコンセプトの通り、地元産の米や県開発の酵母を使い、地元の湧水で地元の蔵人によって仕込まれている純米吟醸酒。また、手間がかかるということで現在では少なくなった四段仕込み(米と水を4回に分けて仕込む。今では3回のところが多い。)の伝統を受け継いで丁寧に作られています。
とういうことでさっそく一杯。
口に含むと水のまろやかさとメロンのような甘みを感じます。しかし甘すぎるというわけではなく、酸味も感じるスッキリとした甘さです。私は花冷えで飲みましたが、舌の上で温まると米の旨味や甘みが出てくるので常温やぬる燗の方がよいかも知れません。
実は父の実家がこの花泉酒造の近くで、小さい頃から訪れていた土地なので、水や米のおいしさを知っています。私がこのお酒を好きなのは、文字通り「水が合う」からなのかも知れません。決して華やかではないけれど、優しく穏やか。そして冬には全国有数の積雪量がある厳しい自然の中で、一本芯の通った強さを持っている。ロ万はそんな南会津の人と自然を感じる「地酒」です。
ロ万 純米吟醸 一回火入れ
原材料 | 米(会津産) 米麹(会津産米) |
原料米 | 麹米:五百万石 |
掛米:夢の香 ヒメノモチ | |
精米歩合 | 60% |
酵母 | うつくしま夢酵母 |
アルコール分 | 15度 |
ちなみに、今年2020年は花泉酒造さんの創業100周年ということで、限定醸造の日本酒が販売されています。こちらはイチゴのような香りがする美しい甘みのお酒。花泉酒造さんの新しい一面を感じます。これからも飲み続けたい酒蔵です。
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