一番好きな酒と器【後編】

というわけで後編は一番好きな器、新見麻紗子さんのぐいのみです。

新見さんは千葉県のご出身。京都で焼き物を学ばれ、現在は故郷に戻り制作をされています。そんな新見さんの器を知ったのはTwitterでのこと。「窯変」という技法を使った、宇宙的な色彩の皿や盃を公開されていて、こんなきれいな焼き物があるのか、と陶磁器に興味を持つきっかけになった方です。

その後2018年に東京で開かれた個展を拝見し、その時にこのぐいのみを購入しました。端正な形と美しい白、そこに内部のガラス質がよい表情を与えていると思います。

とても気に入って使っていたこのぐいのみですが、不注意から破損してしまい…しかし捨てるのはあまりに忍びなく、職人さんにお願いして金継ぎで修復をして頂きました。金では少し強くなりすぎるかと思い、錫の粉で仕上げてあります。完品でなくなったのは残念ですが、儚さすら漂わせていた元の作品に比べ、強さが加わり気軽に使えるぐいのみとなりました。


前後編で私が好きな酒と器を紹介しましたが、最後はこのブログの本題である「土地のお酒を土地の器で飲む」で締めたいと思います。記念すべき1番目は地元福島県、お酒は前編で紹介した「ロ万」、器は会津本郷焼の窯元、草春窯 工房 爽さんのぐいのみです。

青みがった白磁で作られた優しい丸みのぐいのみは、会津の雪の中で芽吹こうとしている植物のつぼみを思わせます。ロ万のすっきりとした甘みと相まって、とても涼やかな組み合わせです。美しいお酒と器に乾杯。


工房 爽さんの器については、また改めてご紹介する機会があると思います。

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